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第 4 問は有機化合物の問題。 2020年のセットの中では点を落とせない基本~標準的な問題。最後の問題に少しトラップがあるので注意。

【I】
問題文から情報を抜き出していくと次の通り。
$\ce{C18H16O4 ->[\text {加水分解} ] B + C + D} $
BC は同じ分子式でベンゼン環を持つ。
D は水溶性で, 組成式が $\ce{CHO}$

A は加水分解できるからエステルと見て良いだろう。

実験 (a)  B に関して元素分析

C : H : O = $(308 \ \mathrm{mg} \times \displaystyle \frac{12}{44} \times \displaystyle \frac{1}{12} ) : ( 72 \ \mathrm{mg} \times \displaystyle \frac{2}{18} \times \displaystyle \frac{1}{1} ) : ( 16 \ \mathrm{mg}\times \displaystyle \frac{1}{16} ) = 7 : 8 : 1  $

B C は同じ分子式で加水分解前の A の炭素数が 18 であることを考えれば, BC も $\ce{C7H8O}$

実験 (b)
B は フェノール性ヒドロキシ基をもち, かつ実験 (c) から B を酸化させるとサリチル酸 となるので, B は オルトの二置換体。
$\ce{C7H8O - C6H4 = CH4O}$ したがって, ベンゼン環に$\ce{OH}$ と$\ce{CH3}$ をオルト位 に結合させた芳香族化合物が答え。( o - クレゾール)
C は フェノール性ヒドロキシ基をもたないことから,エーテルかベンゼン環に直接 OH が付かないアルコールであるが,C は加水分解の生成物であるからアルコールと分かる。 このとき,$\ce{C7H8O}$ においては一置換体しかなく一通りに決まる。(ベンジルアルコール)  
以上で問1に答えたことになる。

問2
B はフェノールで酸性物質,C はアルコールなので中性物質。よって水酸化ナトリウム水溶液を加えることで B のみが中和反応して塩を作るので,水層に溶け込んだ状態となり分離可能となる。

問3
化合物 D の化学式は $\ce{C4H4O4}$ であり,実験(d)の記述から脱水可能な化合物と分かる。よって D はマレイン酸     ,E はそれを脱水させた無水マレイン酸 である。

問4
AB, C, D のエステル化反応を考える。 B, C は $\ce{-OH}$, D は $\ce{-COOH}$ をもつから, D を真ん中にして B, C をくっつければ完成。

 

【II】
問5
デンプン分子のらせん構造が長いとヨウ素デンプン反応は青色を示し,短くになるに連れて紫→赤→褐色と変化していく。
本問ではデンプン水溶液にアミラーゼを加えているのだから,時間の経過とともにデンプンが加水分解を受けてらせん構造が短くなっていると分かる。これを 30 字程度にまとめれば良い。

問6
セルロースの単位構造を書くだけなので省略。

問7
傍線部②の前半で,いったんセルロース中のヒドロキシ基をアセチル化している。

$\ce{[C6H7O2(OH)3]_{n}  + 3n (CH3CO)2O -> [C6H7O2(OCOCH3)3]_{n} + 3nCH3COOH}・・・†$

得られたトリアセチルセルロースを加水分解するとアセトンに可溶なジアセチルセルロースが得られる。

$\ce{[C6H7O2(OCOCH3)3]_{n}  + n H2O -> [C6H7O2(OH)(OCOCH3)2]_{n} + nCH3COOH}$ ・・・‡

123 g のジアセチルセルロース(分子量 $246n$)は$\displaystyle \frac{1}{2n}$mol
‡の係数比より必要なトリアセチルセルロースも同じ物質量。
†の係数比よりトリアセチルセルロースと無水酢酸の反応比( mol )は 1 : 3 であるから,無水酢酸は$\displaystyle \frac{1}{2n}$ mol $\times 3n = 1.5 $mol 必要。
質量に直して,$1.5 \times 102 = 153$g ・・・(答)

早合点して無水酢酸を $2n$ で計算すると間違えてしまうので引っかからないように。

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