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大阪大学 化学 2020年度 第2問 過去問解説

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2020年では一番難しいセット。問1 問2 をとりあえず飛ばして解いていくとよかっただろう。

問1, 問2
理想気体を考えているので, 気体の状態方程式より
$P\times1 =  \displaystyle \frac{w}{M}RT$

$ \displaystyle \frac{P}{w} =  \displaystyle \frac{RT}{M} = 4 \times 10^4 =$(一定)

外部から封入する混合気体の量 $w$ を大きくしていくとき, 全粒子数が増えるのを和らげる方向, つまり $\ce{N2O4}$ が増える方向に平衡が移動する。
ゆえに平均分子量 $M$ が大きくなるから, $ \displaystyle \frac{P}{w}\,$が一定となるためには$\,T\,$が大きくなっていく必要がある。 →問2

また空欄$\,\rm{\bold{a}}\,$直前の 「$\cce{N2O4}$の分圧に対する$\cce{NO2}$の分圧の比」とは$\, \f{P_{\ce{NO2}}}{P_{\ce{N2O4}}}\,$のことである。$w\,$を大きくしていくと$\cce{N2O4}$が増えるから$\,\displaystyle \frac{P_{\ce{NO2}}}{P_{\ce{N2O4}}}\,$が小さくなっていく。

グラフより$\, T_A < T_B < T_C\,$ であるから,   $w_A < w_B < w_C$ かつ分圧比の大小関係が $\rm{C < B < A}$ である ② が選べる。

問 3
直線$\,\rm{E}\,$は高温側の漸近線である。高温にするほど吸熱の方向に平衡が移動するので, 混合気体の平均分子量は$\cce{NO2}$の分子量 ($=46$)に近づいていく。

$ \displaystyle \frac{P}{w} =  \displaystyle \frac{R}{M} T$ の傾きの値を求めると$$\f{R}{M} = \f{8.3 \times 10^3}{46} = 1.8\times10^2$$

問 4
$\ce{N2O4}$ が解離する前に $n$ mol あるとする。

解離後における混合物の平均分子量は,

$92 \times \displaystyle \frac{n(1-\alpha)}{n(1+\alpha)} + 46 \times \displaystyle \frac{2n\alpha}{n(1+\alpha)} = \displaystyle \frac{92}{1+\alpha}$ ①

また気体の状態方程式より,
$PV = \displaystyle \frac{w}{M}RT$
$M=\displaystyle \frac{wRT}{PV} = \displaystyle \frac{8.31 \times 10^3 \times 300}{4.53 \times 10^4 \times 1.0} = 55.03 \cdots$

これと①より,
$ \displaystyle \frac{92}{1+\alpha}=55.0$   $\alpha = 0.672$   $\alpha$ ≒ $0.67 $

問 5
問題の見た目がいかにも難しそうに見えるが, 大したことない。
時刻$\,t_1\,$のときに体積を$\ppu{1.0 L}$から$\ppu{2.0 L}$に増やしているのだから, この瞬間は圧力が下がる。
この後, 時間が経過するにつれて平衡状態に向かう。
$\ce{N2O4 \rightleftarrows 2NO2}$
すると上記の平衡はルシャトリエの原理により粒子数増加の方向, つまり右向きに移動するので$\cce{NO2}$の量は増えていく。ただし, 元の量よりは増えない。また、$\ce{N2O4}$の量は減っていくことも分かる。

$\cce{NO2}$に関して上の条件に当てはまるものは(ア)(エ)(オ)
このうち$\cce{N2O4}$に関して上の条件に当てはまるものは(オ)のみである。

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