大阪公立大学2022第1問|問1元素・S の性質
(1)
(i)
(ii)
(iii)
(iv)
(v)
(2)
(i)
(ii)
(iii)
(iv)
(V)
(う) $\ce{Li}$
(そ) $\ce{P}$
(と) $\ce{Ca}$
(つ) $\ce{Ar}$
(ち) $\ce{Cl}$
ア 二酸化硫黄
イ 三酸化硫黄
ウ 発煙硫酸
酸化バナジウム(V)
$\ce{SO2 + 2H2S -> 3S + 2H2O}$
27.3 mL
硫化水素 $-2$
硫酸 $+6$
(1)
(i) 炎色反応で赤色といえば $\ce{Li}$
(ii) 高校で学習する同素体がある元素は $\ce{S, C, O, P}$
このうち「淡黄色が自然発火」するものは$\ce{P}$ のうちの「黄リン」$\ce{P4}$
(iii) 乾燥剤のうちで無水塩化物のものといえば 塩化カルシウム $\ce{CaCl2}$
(iv) 単体が単原子分子であるので貴ガス。空気中で 1 % 含むものといえば $\ce{Ar}$
(v)単体が二原子分子でかつ黄緑色の気体といえば塩素 $\ce{Cl2}$
$\ce{F2}$ 淡黄色,$\ce{Cl2}$ 黄緑色,$\ce{O3}$ 淡青色,$\ce{NO2}$ 赤褐色
この 4 つは確実に覚えること。
(2)
(i) ~ (ii) 接触法の問題。反応の流れ,触媒ともにしっかり理解しておきたい。
(iii)
硫化水素 $$\ce{H2S -> S + 2H+ + 2e-}$$ と 二酸化硫黄 $$\ce{SO2 + 4H+ + 4e- -> S + 2H2O}$$ の2式を足し合わせる。
半反応式からしっかり作れるように。
(iv)
「濃硫酸から希硫酸をつくる」ということは,「濃硫酸に水を加えて希硫酸をつくる」と読み替えれば良い。
このとき溶質の $\ce{H2SO4}$ の mol や質量は、薄める前後で変わらないことから式を作る。
必要な濃硫酸の体積を $x$ mLとおくと,水溶液の質量 [g] は $$1.83\ \mathrm{[g/mL]} \times x \ \mathrm{[mL]} $$ このうちの $98$%が溶質の質量である。
$\ce{H2SO4}=98.0$ を用いて溶質の $\ce{H2SO4}$ の質量 [g] に関して,
$$
\begin{align}
1.83 \times x \times \dfrac{98.0}{100} &= 2.00 \times \dfrac{250}{1000} \times 98.0 \\
\\
x &= 27.32
\end{align} $$
よって $\pu{27.3 mL}$
問2 鉄・アルミニウムの性質と反応
(1)
(2)
(i)
(ii)
(3)
(4)
(5)
(6)
展性
$\ce{Fe -> Fe^2+ + 2e-}$
$\ce{O2 + 2H2O + 4e^- -> 4OH^-}$
不動態
$\ce{Al2O3 + 2NaOH + 3H2O -> 2Na[Al(OH)4]}$
$\ce{2H2O + 2e- -> H2 + 2OH-}$
$1.5$ mol
(1) 叩いて面状に薄く広がる性質を展性,引っ張って線状に伸びる性質を延性という。
(2) (i)ヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム水溶液を加えて濃青色となったということから,
溶液中に $\ce{Fe^2+}$ が存在する事がわかる。
もし$\ce{Fe^3+}$であれば濃青色とはならない。
(なお $\ce{Fe^3+}$ で濃青色となる試薬はヘキサシアニド鉄(II)酸カリウム水溶液である。)
ゆえに鉄が溶けて $\ce{Fe^2+}$ となるイオン反応式を書けば良い。
(2)(ii) 溶液が赤色となる原因は,塩基性溶液中でのフェノールフタレインによるものであろう。
何が水酸化物イオンを出しているのか。
酸素原子が含まれることを考慮すればまず $\ce{H2O}$ が思いつくが
それではただの電離であってフェノールフタレインを変色するほどの濃度には至らない。
溶存酸素(水中に存在する酸素)が反応すると考えて,
$$\ce{O2 -> H2O}$$ $$\ce{O2 + 4H+ + 4e- -> 2H2O}$$
両辺に $\ce{OH-}$ を 4 つ足して水を整理して $$\ce{O2 + 2H2O + 4e- -> 4OH-}$$ で完成。
(電気分解の陰極の反応の逆反応である。)
(3) 金属表面の酸化被膜によって金属内部が保護されてそれ以上酸化されない状態を不動態という。
大学受験化学で出てくる,不動態になりやすい元素
$\ce{Fe}, \ce{Co}, \ce{Ni}, \ce{Al}, \ce{Cr}$
(語呂合わせ:鉄子にある苦労)
(4) ボーキサイト中の $\ce{Al}$ は長年空気中に晒されており酸化物 $\ce{Al2O3}$ となっている。
これを濃 $\ce{NaOH}$ で溶かすと錯イオンとなって溶ける。
両性元素が過剰の水酸化ナトリウム水溶液に溶ける反応は下の記事にあるように機械的に作ることができる。
すぐに作れない人は確認しておこう。
(5) 溶融塩電解とせずに水溶液で電気分解すると,
この溶液内でイオン化傾向が大きい $\ce{Al^3+}$よりも $\ce{H2O}$ が先に電子を受け取って水酸化物イオンとなる。
よって水溶液では $\ce{Al^3+ + 3e^- -> Al}$ の反応は起こらない。
(6) 溶融塩電解では水が存在しないので電気を流すと陰極で $$\ce{Al^3+ + 3e^- -> Al}$$ の反応が起こる。
また,陽極では炭素が溶融塩中の酸化物イオン $\ce{O^2-}$ と反応する。
一般的には $\ce{CO, CO2}$ の両方が生成するが,問題文では $\ce{CO}$ のみとしているから,
陽極での反応は$$\ce{C + O^2- -> CO + 2e-}$$ とかける。
陰極の式から,1 mol の $\ce{Al}$が生成するには 3 mol の $\ce{e-}$が必要。
必要な炭素は陰極の式から$$3\ \mathrm{mol} \times \dfrac{1}{2} = 1.5\ \mathrm{mol} $$ とわかる。